ここでは僕の気に入り沖縄民謡CDを紹介します



美ら弾き 沖縄島唄6/登川誠仁
<商品番号:VICG-5164/税込価格:¥2,500>

 1.多幸山
 2.富原ナーク二ー〜はんた原
 3.ヒヤミカチ節
 4.嘉手久
 5.山原汀間当
 6.兄弟小節
 7.サイヨー節〜伊集早竹田
 8.江差節
 9.嘉利吉の出船
10.山原ユンタ
11.根間の主
12.永良部千鳥
13.世渡り節
14.新殿様節
15.トーガ二ー〜泊高橋
16.乱れ打ち


技巧の極み

僕は元々ロックを聴いて育った世代でして
高校生の時、変わり者の友人が群馬の片田舎に沖縄民謡のCDを持ってきて
”うん、よい!”なんて言ってたのですが僕にはその魅力が一向にわからず
まさか数年後にこのような生活を送るとは、そのとき想像すらできなかったのですが

ロック世代が比較的すんなり入れる楽曲のひとつに
山内盛彬作曲”ひやみかち節”を掲げます
フレーズ、弾きごたえ、歌詞内容、どれをとってもこれはロックに通じます

早いだけの何の味もないヒヤミカチ節はたくさんありますが
このアルバム収録のヒヤミカチ節は風です
ひたすらドライブしまくります

同アルバム収録のはんた原にいたりましては
万座毛の絶壁を駆け上がる風神の如きです

このアルバムは半端なロックやメトロノームでは表現することのできない
リズムの奥深さ繊細さを存分に楽しめます

マルフクレコードから”せい小のカチャーシー”というテープが出ています。
<商品番号:CKF-58/税込価格:¥2,000 くらいだったと思う>
こちらでも舞踊曲、カチャーシーなど早弾きの魅力が存分に味わえますが
せい小先生の声が若すぎるのと
幸か不幸かテープというメディアの性質も手伝って
古いものというイメージが前面に出ちゃってます
土臭さで計ったら、ダントツで”せい小のカチャーシー”の勝ちです
んー、こっちもぜひCD化していただきたいものです

カチャーシーが酔っ払い踊りではなく
最高に洗練された芸術活動だってことがばっちりわかります

2004.12.14 yazy





琉球情歌行/嘉手刈林昌
<商品番号:VICG-60266/税込価格:\2520>

1.島尻口説
2.中島節
3.かいされー
4.十九の春
5.移民小唄
6.与那国しょんかねー
7.戦友
8.軍人節〜熊本節
9.エイサー
10.嘉手久〜アッチャメー節


風狂歌人、白雲の如く

僕が三線を弾いていて一番悔やまれることは
この人の演奏を生で聴けなかったことです
政雄先生と出会い、沖縄音楽がレコードではなく生活(文化)だと
気づいたときには時すでに遅し、亡くなられた後でした

この方は、とにかくエピソードに事欠かなかったらしく
ブラジルへ行くと言ったきり半年帰ってこなかったとか
なんた浜でくだをまいていたヤクザに酔っ払ってからんだあげく撃退してしまったとか
某政治家の名詞を使って飲み歩いたとか・・・

ことの真相はこの人の無類の人好き(こんな言葉があるのだろうか?)からきていたようで
とにかく誰彼かまわず愛情を注いだそうです。愛情を注がれた方は
耳たぶをかまれたり、様々なスキンシップを経験したそうです

嘉手刈林昌レコードが膨大にあるのも、もちろん唄の良さはあるが
断ることをしらない本人の性格にも原因があったと聞きました
とにかく沖縄関連でこの人ほど、録音物を残している人はいないそうです

僕も多分、三線に出会ってから、何度もこの人の唄に触れているだろうに、
意識下に嘉手刈林昌の名前が刻まれたのは風狂歌人というアルバムタイトルがきっかけに思います

沖縄の明るさと、悲しみ・・・明暗を体現できる人
沖縄が明るく暑いだけでは、きっとここまではまらなかったであろうに
戦禍、基地問題など事を大味にしてしまえばたちどころに逃げてしまうような
沖縄の繊細な悲しみの部分を無意識に知らせてくれるような
僕にとっての嘉手刈林昌という人は、所謂、ミスターオキナワなのです

レコーディングブースでのレコーディングももちろん良いのですが
この人の場合、しゃべりから唄に入るときの、スイッチの入り方がたまらず、あえてライブ盤を挙げてみました。

これは大城美佐子さんとの掛け合いが良くて
十九の春・・・これって笑わせようとして唄うと途端に面白くなくなる唄だと思うのですが、
ここに登場するのはぴか一です
即興???・・・なんかねえ、いいんですよ

最後までどっちにしようか迷ったBEFORE/AFTERというアルバムがあります
<BCD−2・税抜き¥4000>
こっちはいろんなゲストも出ていて、更に盛り上がっています
ゲストの一人、金城睦松というおじーがいるのですが
この方がまた凄いんです
話がそれるので、また別機会に触れるとしまして

”島唄の神様”と称される唄ですが、正直言って最初はわかりませんでした。
でも自分で唄えば唄うほど、この人の凄さをひしひしと感じます。
唄はハートをこめなきゃいけないって言われますが、それが一筋縄ではないことを痛感します

嘉手刈林昌さんと僕との身勝手なエピソードですが、
政雄先生に出会って、三線を作ってもらうとき、
CDで聴いたこの人の三線の音を求めていたのをはっきり覚えています。今考えれば無茶な話ですが・・・


2004.12.18 yazy





春夏秋ちょっと酔ing / 新良幸人withサンデー
<商品番号:SW-0001/税込価格:¥2,415>

1.ゆんたく
2.しらほ節
3.真謝節
4.ざんざぶろう・高那節
5.安里屋節
6.夏花
7.パピル節(コザにて)
8.崎山ゆんた&みなとーま
9.MAYA-GUA
10.アブジャ〜マ


アンサンブルのチカラ

〜何もたさない何もひかない 明日できることは今日しない〜

なんか初めからディープ方面へ飛ばしすぎているので
ここらで少しポップに行きたいと思います

普段あるものが、無くなったときに、そのものの価値を感じることは多々ありますが、
逆に無くなって改めて当初の自由さを思い出すこともいっぱいあります

最近でこそ、ギター、シンセサイザー、ドラム、に彩られた
沖縄曲が増えましたが、ここで原点再確認

唄三線をご自身でやる方なら、そこに太鼓、囃子、指笛が加わることで
アンサンブルの広がりを体で感じた経験をお持ちのことかと思いますが
かの仲本こーちゃんも沖縄民謡における囃子の重要性については事あるごとに話していました

現在Parsha clubで独特の沖縄ワールド展開中の新良幸人さん
三線ソロは無いという通説のなか、三線ソロをばんばん聞かせちゃってくれちゃう人です
(映画パイナップルツアーズでもとびきりかっこいいのを披露・・・してたと思う)
このアルバムはサンデーさんと二人きり
八重山民謡の唄の良さはもちろんのこと、三線、太鼓、囃子、指笛の広がりを堪能することができます

オープニングの川満シェンシェーのしゃべりもめちゃめちゃいい味出してます。

三線と太鼓はずれてくると、また別のうまみが出てくるのですが
このアルバムは二人の息もぴったりで、聴きやすくお勧めです

2004.12.15 yazy






メモリアル・ネーネーズ オキナワ / ネーネーズ
<商品番号:ARCJ127/税込価格:¥3,059>

1.平和の琉歌
2.ノーウーマン ノークライ
3.ヨーアフィ小
4.安里屋ユンタ
5.オキナワ
6.遊びションガネー
7.ウムカジ(思影)
8.糸綾
9.黄金の花
10.IKAWU
11.真夜中のドライバー
12.翼を休めに来ませんか
13.月ぬ美しゃ


ワールドミュージックへの出発

アフロのユッスンドゥール
ライのシェブハレッド

土着音楽が世界に羽ばたくとき
それは少なからずも痛みを伴うらしい・・・
生みの苦しみ?

出稼ぎ、出航の希望と望郷の想い、ロマンを描いた名曲”IKAWU”
これが1stアルバムのタイトルだっていうのも、
今思えばなんかうまく出来すぎてる感がありますが
プロデューサー知名定男さんは意識を持ってやったんだと思います(当然か!)
出航のロマン(?)が言葉だけでなく、アレンジからも伝わってくるのが1STアルバム”IKAWU”
このアルバムのは少しノスタルジーが入ってます

まだ僕が三線に出会っていない頃、
新宿で真夜中に遊んでいたときのこと
屋台のおでんやからネーネーズの”チャッチャー”が流れ
おでんやの前で、肉体労働者風のおじさんが一人で憑かれたかのように
めちゃめちゃ楽しそうに踊っていたのをいまだ鮮明に覚えています

数年後、宜野湾の島唄でネーネーズを目の当たりにしたとき
新安里屋ユンタの囃子にめちゃめちゃエキサイティングして
カラオケ”チャッチャー”にがっくりしたのを覚えています(^^ゞ

民謡はそもそも方言であって、その地方の人のものでありますが
そこに通訳者、翻訳者がはいって始めて、部外者とコミュニケーションできるようになります

シンセサイザーがばんばんなって
ウクレレとか、エレキギター、ドラム・・・
純正の民謡ファンから見れば邪道なのかもしれないけど
僕に沖縄民謡のトビラを開いたのは紛れもない
このネーネー達なのです

2004.12.18 yazy






チョンチョンキジムナー・照屋政雄特集/ 照屋政雄
<商品番号:30NCD-31/税込価格:¥3,000>

1. ターマーガ
2. 明日からや
3. 恋ぬアブシ道
4. チョンチョンキジムナー
5. トゥルルンテン
6. 読谷山口説
7. 県道節
8. 商売人小
9. しみるするぬが
10. ましゅんく節
11. 四十ばんじ
12. ねーとぅ小
13. イビー読谷山
14. 一大事ガマヨ
15. ヨカンベな
ボーナス 吉原漫歩


フリムンはフリーマンである!

他の人、褒めてる場合じゃないですよ
幸か不幸か僕の三線弾人(ひちゃー)デビューの原点

良い楽器、三線を訪ね歩いて、十数件?数十件?
たどりついたところがコザの照屋太鼓三線店
出会ったときに”面白いひとだな〜”って思った
その面白いおじさんに古典の”子持ち(くゎむちゃー)”を演奏してもらった
えらく感動してしまった
その頃、あろうことか、僕は、政雄先生のことを政雄”さん”と呼んでいた!

民謡だけでなく古典も師範免許を持つこの面白い三線職人のおじさんが爪弾く三線は
今までに聴いたことのないような優しい音がした

三線を作ってもらうことにした
棹を選ぶのに、丸半日かけた
たか子姫はあきれていた
政雄先生は外でゴルフの素振りを始めていた
僕は一心不乱に棹を選びつづけた
選んだ棹は政雄先生に言わせれば当たりだった
政雄先生の削りだした黒木の真壁だった

CDリストを作りながら民謡を聴きまくったあとに、このCDをかけたら
三線がはいってはいるが、こりゃ全く別のものだ
僕の弟子入りは政雄先生から、これらを全力で盗みまくったわけだから
宮地にはいった当初はすげー大変でした。民謡を知らないんだもん

レコードと生演奏の距離を知らせてくれたのが政雄先生
物凄い出会いの始まりが政雄先生
沖縄のことを教えてくれたのが政雄先生

三線の弾き方、歌い方なんて”それはダメだ!”としか教えてもらえない
そのたびに何度暗闇をさまよったか・・・

このアルバムは仲本さんも参加しています
仲本さんのドラムいいなあ

実はこのアルバムが作られるきっかけになった、インディーズ盤”うた遊び”という
幻の名盤があるのですが、これいま手に入るのかな?
うた遊びはこのアルバムほどアレンジがみっちりはいっていないので
新作唄三線の数々を解剖しやすくなっております

三線で自分の唄を作りたいかたがいましたら必聴です
三線アレンジの基本を押さえつつ、
ここまで自由にやってしまった過去が既に存在しています

2004.12.18 yazy